庭に置かれた金属製の物置は、屋外で常に雨風や紫外線にさらされています。
そのため、どんな物置でも時間とともに塗装は劣化し、サビは確実に進行します。
この物置塗装について、
「業者に頼むべきか」「DIYで十分なのか」
と悩む人は多いですが、実際にはDIY塗装を選ぶ人がかなり多い分野でもあります。
この記事では、
- DIY塗装のメリット・デメリット
- 失敗しないために最低限押さえるポイント
を整理して解説します。
庭の物置はDIYで塗装するのが一般的
物置の塗装は、初心者でも比較的簡単に行えます。
他の塗装対象と比べると、物置がDIY向きである理由がはっきりします。
- 家の外壁塗装
→ 足場を組む必要があり、安全面・技術面から業者がほぼ必須 - 車の塗装
→ 見た目の完成度が強く求められ、専用設備が必要なため業者がほぼ必須 - 物置の塗装
→ 高さは2m前後が多く脚立で手が届く
→ 見栄えよりも防錆・保護が目的
→ 多少ムラがあっても実用上問題にならない
このため、
「自分でやれば十分では?」と考える人が自然と増えます。
また、業者に依頼すると、
- 出張費
- 人件費
- 養生・下地処理費
が加算され、物置本体の価値に対して割高になることが多いです。
結果として、
- 何もせずボロボロになるまで使い
- 最終的に新品交換する
という選択をする人も少なくありません。
一方で、
「できるだけ長く使いたい」
「穴が開く前に防ぎたい」
と考える人の多くは、DIY塗装でメンテナンスを行っています。
業者に塗装を依頼するケースは、
- 足場が必要なほど大きな倉庫サイズ
- 見た目を重視する用途(店舗・事業用)
といった、やや特殊な条件の場合が中心です。
DIY塗装のメリット

コストが圧倒的に低い
DIYの場合、主な費用は以下の通りです。
- 塗料
- ハケ・ローラー
- サビ落とし用の道具
数千円〜1万円台で済むことが多く、
業者依頼(数万~十数万円)と比べると桁違いに安いのが最大の利点です。
防錆目的なら性能的に十分
物置塗装の目的は、見た目を完璧にすることではなく、サビの進行を止めることです。
防錆塗料を使い、最低限の下地処理を行えば、防錆性能としては実用十分な結果が得られます。
劣化に気づきやすくなる
自分の手で一度塗装すると、
- サビが出やすい場所
- 水が溜まりやすい箇所
を自然と把握できるようになります。
結果として、「あ、ここ怪しいな」と早期に異変に気づけるようになります。
部分補修が気軽
DIYの場合、
- 一部だけ再塗装
- 小さなサビ部分の上塗り
といった補修を、思い立ったときにすぐ行えます。
これは業者依頼ではほぼ不可能なメリットです。
DIY塗装のデメリット

仕上がりはプロに劣る
刷毛目やムラは、どうしても出やすくなります。
見た目を最優先したい人には不向きです。
下地処理が甘くなりやすい
DIYで最も多い失敗がここです。
- サビ粉を落としきれていない
- 汚れ・油分が残っている
この状態で塗ると、数か月でサビ色が再浮上したりペンキが浮いて剥がれたりします。
耐用年数は「管理依存」
DIY塗装は、
- 定期的に見る
- 劣化があれば補修する
という姿勢が前提になります。
放置するとプロ施工より短命になります。
高所・大型物置は負担が大きい
サイズが大きい物置や、屋根部分の作業は、
- 体力的負担
- 転落リスク
が高くなります。
無理な場合は業者依頼も現実的な選択です。
DIY塗装で失敗しないためのポイント

DIY塗装でよくある失敗の多くは、
「塗り方」よりも「塗る前」と「塗った後」に原因があります。
以下を意識するだけで、成功率は大きく変わります。
サビをある程度落とす
「サビの上から塗れる塗料」であっても、
ボロボロになって浮いているサビは必ず落とし、表面の粉状のサビはある程度除去します。
- ワイヤーブラシ
- 紙ヤスリ(#120〜#240程度)
で、触ってザラザラが減る程度まで落とせば十分です。
ピカピカの鉄肌まで出す必要はありません。
この一手間を省いてしまうと、塗装1ヶ月~数ヶ月後にサビ色が浮き出やすくなります。
チョーキングを落とす
古い塗装の表面を手で触ったときに、白い粉や塗料の色の粉が手につく状態を「チョーキング」と呼びます。
これは汚れではなく、紫外線や雨によって劣化した塗膜そのものです。
この状態のまま上から塗装すると、
といった失敗につながりやすくなります。
対策としては、
- 水をかける
- 雑巾やスポンジでこすり落とす
- 水で洗い流す
これを行い、粉が手につかない状態にするだけで十分です。
必ずしも塗膜を完全に削り落とす必要はありません。
DIY塗装では「サビ」ばかりに意識が向きがちですが、チョーキングを放置することも失敗の大きな原因になります。
「触って粉がつくかどうか」を確認するだけで判断できるため、塗装前のチェック項目として必ず入れておくと安心です。
「サビが出やすい場所」を重点的に塗る
物置でサビが出やすい場所は、ある程度決まっています。
これらはいずれも、水が溜まりやすい、または乾きにくい部分です。
サビは、金属・酸素・水分がそろうことで進行する化学反応のため、水分が長時間残りやすい場所ほどサビが発生しやすくなります。
そのためこうした部分は、
- 意識して塗膜を厚めにする
- 一度で済ませず、複数回重ね塗りする
といった対策が効果的です。
作業の順番としては、サビやすい部分から先に塗り始めるのがおすすめです。
そうすることで、全体を塗っている間にも乾燥時間を確保でき、次の重ね塗りもしやすくなります。
厚塗りしすぎず、回数でカバーする
一度にベタっと厚塗りすると、
- 乾燥不良
- タレ
- 内部に水分が残る
ということになります。
これにより表面が乾いていても、塗膜内部はまだ柔らかいということになりがちに。
そのため、欲張って一度で厚塗りするのではなく
- 薄めに塗る
- 乾かす
- 重ねる
という「回数で膜厚を作る」意識が重要です。
塗った後も「放置しない」
DIY塗装は一度塗って終わりではなく、定期的にチェックすることが重要です。
- サビ色がうっすら出ていないか
- 塗膜が割れていないか
を年に1回見るだけでも、手直しは小規模で済みます。
なぜ完全にサビを落とさなくてもよいのか?
「サビはすべて落とし切らないといけないのでは?」
と不安になる人も多いと思います。
しかし実際には、完全にサビを除去することが必ずしも最適解とは限りません。
鉄のサビは、酸素と水分がある限り完全にゼロにすることはできないため、防食の考え方は「根絶」ではなく「進行を管理する」ことが基本になります。
プロの防食塗装の現場でも、
- 浮いているサビや剥がれかけた塗膜は除去する
- しっかり密着している部分は無理に剥がさない
- その上から防錆塗膜で水と酸素を遮断する
という方法が一般的です。
これは手抜きではなく、費用・労力・得られる効果のバランスを考えた合理的な判断です。
仮にサビを完全に落とそうとすると、
といった問題が出てきます。
一方で、
- 危険なサビだけを落とし
- 防錆塗料で包み込み
- 定期的に状態を確認して手直しする
という方法であれば、実用上は十分な耐久性を確保できます。
物置は、橋や工場設備のように「絶対に腐食させてはいけない構造物」ではありません。
防錆・延命を目的とするなら、完璧を目指すのではなく、” 管理し続けること “の方が重要です。
DIY塗装では、「すべてを一度で完璧に仕上げる」よりも、気づいたら直す・悪化させないという姿勢のほうが、結果的に物置を長持ちさせることにつながります。
私がDIY塗装をやることになったきっかけ
私は過去、自宅の物置を実際に一度 DIY塗装しています。
そのきっかけとなったのは、家の近所でサビてボロボロになった物置を見かけたことでした。
「メンテナンスをしなければ、いつか自分の物置もこうなるのか」
と、次に来る我が身のこととして感じました。
サビが進んで穴が開いてしまうと、
など、被害が大きくなります。
そうなる前に手を打てば、手間も費用も最小限で済む。
そう考えて、DIY塗装を始めました。
DIY初心者にオススメのペンキ
DIYで物置塗装を行う場合、初めての方におすすめなのが
「アサヒペン サビの上からそのまま塗れる 鉄部用塗料」です。
この塗料には、特殊な防錆成分(錆止め剤)が配合されており、すでにサビが発生している金属でも
上から塗装することで塗膜を形成し、酸素や水分を遮断する仕組みになっています。
そのため「すでにサビが出てしまった物置」でも、サビの進行を抑える効果が期待できます。
作業のしやすさも初心者向き
この塗料は水性タイプのため、
といった点も、DIY初心者には大きなメリットです。
水性塗料ではありますが、一度しっかり乾燥すれば硬い塗膜を形成し、雨を弾いて内部の金属部分を保護してくれます。
さらに、紫外線劣化防止剤も配合されているため、屋外に設置された物置でも比較的耐久性が高く、一度塗装すれば長期間効果が続きやすい点も魅力です。
結果として、将来の再塗装や補修の回数を減らせるという利点もあります。
注意点:謳い文句を過信しない
ただし、注意点もあります。
この塗料は「サビの上から塗れる」とされていますが、どんなサビの上でも無条件に塗ってよいわけではありません。
といった重度のサビは、
事前にワイヤーブラシやヤスリで除去する必要があります。
こうした処理を行わずに塗ってしまうと、新しい塗膜ごと剥がれてしまい、劣化を早める原因になります。
「サビの上から塗れる」という謳い文句は、“密着しているサビであれば対応できる”という意味だと理解しておくと安全です。
まとめ
- DIY塗装は理にかなっている
- 防錆・延命目的ならデメリットは許容範囲
- 完璧を目指さない前提なら、最適解に近い
重要なのは、
- 状態を確認する
- 変化に気づく
- 必要なら手直しする
という姿勢です。
定期的に点検をして、ダメになる前に早めに少しずつ修繕することが長持ちのコツです。