町内会って行事や当番の負担が大きいですよね。「できれば負担の少ない地域に住みたい」「というか町内会に入りたくない」という方も最近では増えてきています。
私は中古物件を購入したあと「町内会には入りません」と勧誘を断って住み始めましたが、今は近所トラブルも一切なく平穏な日々を送っています。
どうしてそんなことができたかというと、じつは住む前に周辺地域を徹底的にリサーチしたからでした。
今回の記事では、町内会に入りたくない人が住居選びで確認しておきたい12のチェックポイントを紹介します。これを読めば、負担の少ない地域の探し方やトラブルを避けるコツなどが分かるようになります。
※今回紹介するチェックポイントは、都市部以外の郊外で戸建てを購入して住むことを検討している方向けの内容です。
ホームページをチェックする

まず真っ先に簡単にチェックできる方法は町内会のホームページをネットで見ることです。
ホームページがない場合がほとんどですが、もしある場合は活動内容がどんなものなのかがすぐに分かりますね。
また、ホームページの内容紹介が非常に詳しくそして更新もマメにしているところは活発に活動しているということなので、引っ越した後に熱心な勧誘を受ける可能性があるため加入したくない方は要チェックです。
地域のお祭りを調べる

その地域の近隣で大きなお祭りがないかをネットで調べてみてください。
地域の有名なお祭りがある場合は祭りの準備や運営、片付け、打ち上げなどの参加をお願いされる可能性があります。お神輿を担ぐ風習がある場合は一緒に担ぐように頼まれるかもしれません。
また、大きなお祭りだけでなく近所の広場で行うような子供のための小さなお祭りがないかもチェックできるならしてください。
引っ越し先で子供が「友達とお祭りに行きたい!」となった時に「自治会に入ってないから行けない」と言っても子供は理解してくれないかもしれません。親の言うことを無視して勝手に行ってしまうと、お祭りの場で「君の家は自治会に入ってないから参加できないよ」「景品は渡せないよ」と言われて泣いてしまうかもしれません。
こうしたトラブルを避けるためにも、自治会に入りたくない方はお祭りがない地域に引っ越すのが良さそうです。
大きいお祭りがある地域は町内会費が高くなる傾向があります。
近くに神社がないか調べる

Googleマップなどで家の周辺に神社がないかをチェックしてみてください。
近くに神社がある場合、町内会で年に1~2回、神社の清掃活動が行われることがあります。
また、神社では餅つき大会や盆踊りなどの小さなお祭りが開催されることもあります。
神社は地域の共有財産という考えのもと、周辺住民が協力して維持・管理しています。そのため老朽化や災害で損傷した場合は、地域住民がお金を出し合って修理することもあります。
周りの住民が高額な神社の費用を負担している中、町内会に入らずに支払わないとなると周りの反感を買ってしまう可能性があるので加入しない方は神社も要チェックです。
近くの公園の管理状況を調べる

家のすぐ近所に公園がある場合、その公園を管理しているのが町内会かどうかを調べておくとよいです。
公園の土地は国のものであって本来は市町村が清掃業者を利用して管理するものですが、財務状況により費用を安く抑えるために町内会・自治会に委託している場合があります。情報は市町村のホームページもしくは電話などで問い合わせすると確認できるかもしれません。
町内会が公園の維持管理をしているとなると、加入していない自分たちが公園を利用するのは気が引けてしまいますよね。
引っ越し先で自分の子供が公園で遊びたくなるのを止めるのはほぼ100%不可能ですし何より可哀想ですから、そうした点で近所の公園の有無と管理者についても見ていく必要があります。
ハザードマップを確認する

地震・津波・台風被害で浸水や停電が起きる時には事前に避難所に逃げることが大事とされていますよね。でも避難所の利用の時も町内会に加入しているかどうかが問題になってきます。
食料や布団などの支援物資はそれ自体は行政からのもので、すべての住人が受け取る権利がありますが、それを配る場所や寝泊まりする場所が町内会の集会所だったり町内会員が配給係などの運営を担っている場合は気まずい思いをすることになります。
また、行政からの支援物資は届くのに日数がかかるため、それまでの間を埋めるために自治会が独自で食料備蓄を持っていることもあります。
自治会に入っていない場合はそれは受け取るわけにはいきませんよね。なので初めからそうした災害支援を受けなくてすむ比較的安全な地域を選んで引っ越すと良いと思います。
津波・浸水・土砂崩れなどの危険性を予測した「ハザードマップ」を確認して、被害が及ばないとされる地域を選ぶようにするといいです。
津波が来ない、浸水の心配がない、土砂崩れの心配もないというような場所であれば避難所に行かずに家にいてもいいわけですからね。
ハザードマップについては「〇〇(地域名) ハザードマップ」で検索して調べてみてください。
冬の降雪量を確認する

豪雪地帯では朝の雪かきを日常的に行うことになります。
道路の雪かきは行政が業者に依頼して行ってくれます。基本的には、ブルドーザーのような除雪車で道路の雪を押し出して端に寄せ、車が通れるようにする形です。
そのため、除雪車が通った後は、家の前に大量の雪が積まれることになります。
除雪車は朝3時~6時くらいの時間に通るので、出勤前には家の前に積まれた雪をどける作業を20~30分かけて行います。それをやらなければ自分の家から車を出すことができません。日中に雪が降れば仕事から帰ってきた時にも夕方の雪かきがあります。
さらに地域によっては除雪作業費用の一部を町内会の会費で負担しているところもあります。
また、自力による除雪作業は足腰に不安のある人にとっては大変な作業なので代わりにご近所さんが手伝うこともしばしばあり、豪雪地帯では地域住民の助け合いの心が必要となります。こうした点から、町内会に入って地域住民の顔と名前を知って仲良くしていくことも大切となります。
となるとですね、町内会に入りたくないという考えの方は雪のたくさん降る地域には住まない方がいいのではないでしょうか。若いころは自分で雪かきできても、体が思うように動かなくなると雪かきの重労働ができなくなって将来的に困る可能性もあります。
豪雪地帯では、雪による停電や雪崩、外出困難などの災害リスクに備える必要があります。そのため、地域住民が助け合う自治会の存在意義が非常に大きくなります。
周辺の家の築年数を見る

Googleストリートビューで町を探索すれば周辺の家が古いのか新しいのかがだいたい分かると思います。
古い家ばかりの場合は古くから町内会も存在していて、「町内会に入るのが当たり前」「抜けるならよそ者扱い」という価値観である可能性があります。
(高齢化が進んだ地域では、町内会活動が縮小し、最低限の機能しか残らないこともあります。
それでも全国的には、まだまだ元気に活動している町内会が多いです。)
一方で、新しい住宅地では状況が少し違います。仕事で忙しい共働き世帯や子育て世帯が多く、町内会のイベントに参加できない人も多いため、「町内会は最低限の機能だけでよい」という考え方が広がりやすいです。
特に大きくない新興分譲住宅地では、10世帯程度でゴミ出しのためだけに町内会があり、会費も安く、当番の負担も軽い場合があります。これだったら無理に「町内会に絶対入らない!」と意地を張る必要はないですよね。
周辺設備の所有者・管理者を明らかにする

自宅周辺の土地が私有地であることを、後から知って驚くケースもあります。注意すべきポイントはいくつもあります。
- 車が通る車道
- 歩行者や自転車が使う近道・裏道
- 夜道を照らす街灯
- 生活用水を流す下水溝
これらが私有地や自治会管理だった場合、「この道は通るな」「電灯の下を歩くな」「下水を流すな」と言われてしまう可能性があります。実際にそうなったら困ってしまいますよね。
さらに、管理や維持の負担が住民に回ってくるケースもあります。例えば、街灯の電気代を町内会が支払っていたり、下水溝や草刈りを一斉に行っていたりすることです。所有者だけでなく、住民の労力や費用が発生していないかどうかも、あらかじめ確認しておくと安心です。
地域の自治会条例を調べる

地域によっては自治会への加入を求める条例が行政によって定められている場合があります。住みたいと思っている地域の「地域名+自治会+条例」で検索して調べてみてください。
自治会促進条例とか地域自治推進条例とか自治会を応援する条例など、名前は地域それぞれで違います。
中身は以下のような感じになっています。
- 未加入の住民に対して加入を求める
- 加入者に自治会活動の参加を求める
- 不動産業者に転入者への自治会加入を勧めるよう求める
- マンション管理者に自治会への協力を求める
つまり、全体的に自治会にとって都合の良い内容が並んでいます。
ただここで注意なのが、この条例には罰則規定がないので違反したとしても不利益を被るわけではないということです。
なので自治会から脅し文句のように「市の条例で自治会加入が決められています!」と言われたとしても、慌てないようにしてください。大切なのは、条例があることや内容について知識を持ってそれに対処できるようにすることです。
勧誘の自治会員に言われて初めて知るのと、あらかじめ知っているのとは大きな差があります。
ゴミ出しの方法を考える

多くの人が自治会に加入する最大の理由は「ゴミ出しのため」です。自治会に入らないと、ゴミステーションを利用できない場合があります。
- ゴミステーションが私有地に設置されている
- 金網やネットが自治会費で購入されている
こうしたケースでは、非加入者が利用するべきではありませんね。
「ゴミを出すために仕方なく自治会に入っている」という人も実際多いです。その中で自分だけ加入せずにゴミ出しをするのは、トラブルの火種になりやすいでしょう。
また、「会費だけ払う」という形を希望しても、清掃当番・見張り役・片付けといったゴミ出しに関する役割に加えて、班長や役員などの仕事を避けていることに不公平感があるため、認められないケースが多い印象です。
そのため、自治会に入らない選択をする場合は、ゴミ出し問題を自分で解決する必要があります。
戸別回収
まずは、これから住む市町村が「ゴミの戸別回収」に対応しているかどうかを確認しましょう。
参考になるのが「goo住宅・不動産」がまとめている 地域ごとのゴミ収集方法一覧表 です。とても分かりやすいので、概要欄にあるリンクからチェックしてみてください。
ゴミ処理センターへ持ち込み
戸別回収に対応していない場合はゴミ処理センターが近くにあるかをチェックします。
処理センターには個人でゴミを持ち込むことが可能なので、家から近ければゴミを車に載せて定期的に捨てることができます。
事前に次の点をチェックしておくと安心です。
- 受付の曜日・時間
- 出せるゴミの種類
- 利用料金(数百円〜千円ほど/地域によっては無料)
また、可燃ゴミと不燃ゴミで処理センターの場所が違う場合もあるので注意してください。特に可燃ゴミは出す頻度が多いため、可燃ゴミの処理センターが近いほうが生活上便利です。
生ゴミの保管はどうする?
ゴミをまとめて捨てる場合、自宅で一時的に保管する必要があります。そのとき問題になるのが「生ゴミ」です。
生ゴミを長期間そのまま置いておくと、
- 強いニオイ
- カビの発生
- 不衛生な環境
- 虫の発生
といった問題が出てきます。
そこでおすすめなのが、生ごみ乾燥機です。
乾燥機で水分を飛ばすと、ゴミはカラカラになり、1ヶ月ほど保管しても臭わずカビも生えません。これは、微生物や菌が水分なしでは繁殖できないためです。
生ごみ乾燥機は 約2万円程度で購入可能 で、市町村によっては 補助金制度 が利用できる場合もあります(乾燥していることで処理センターで燃やす時の負担が減るとのこと)。
購入額の半分を上限に補助されることも多いので、一度 市町村のホームページで確認してみてください。
地域の不動産業者に聞く

自治会について知りたいときは、不動産屋に聞いてみるのが一つの方法です。取引実績の多い不動産屋であれば、実際に住んだお客さんから話を聞いている可能性があり、自治会費やゴミ出しルールなど、ざっくりとした情報なら持っていることがあります。
一方で、市役所や区役所に問い合わせても、細かいルールや人間関係まで教えてもらえることはほとんどありません。役所が対応してくれるのは「自治会代表の連絡先を案内する程度」で、基本的には事務的な説明にとどまります。
自治会と役所は協力関係にある仲間であるため、トラブルにつながるような情報は出さないと考えておいた方がよいです。
住んでいる人に直接聞く

勇気があれば、その地域に住んでいる人に直接聞いてみるのも有効です。実際に暮らしている住民なら自治会のことを大体把握しているので、情報としては確かです。ただし、いきなり訪ねて質問すると失礼にあたる場合もあるため、聞き方には注意が必要ですし、そもそも会話のきっかけを作るのが難しいというネックもあります。
一番自然に話ができるのは、購入を検討している家の売主です。物件見学の際に会話のチャンスがあれば、自治会や町内会について必ず聞いておくのがおすすめです。
町内会長に聞く

最終手段として、町内会長に直接会って話を聞く方法もあります。
これは、移住を検討している段階ではなく、実際に引っ越して住み始めた後に町内会長が家に勧誘に来たときの確認として使うのが現実的です。
町内会長と話すことで、より詳しい情報を得て、納得できるかどうかを最終判断の材料にできます。ここまでたどり着かないと分からない情報も少なくありません。例えば――
- 入会費や町内会費の正確な金額(住民の記憶では古い情報の場合がある)
- 行事不参加の場合の罰金の有無
- 入会金・会費の内訳や使い道
町内会長はこれらの情報をすべて把握していますので、質問してしっかり確認しましょう。
すべての情報を揃えたうえで、メリット・デメリットを比較して最終判断するのが安心です。
さいごに

ここまで町内会を悪く言っているように聞こえたかもしれませんが、私は町内会の全てを否定したいわけではありません。実際、町内会がないと生活が成り立たない地域も多くあります。そうした地域では、町内会は非常に役立っており地域の安全や利便性を支える重要な存在です。
ただ僕がこうして紹介しているのは、価値観が違う人同士は住む場所が違う方がお互いにとって幸せなんじゃないかと思うからです。
「町内会に入って仲良く助け合うのが当たり前」という考えの人と「できるだけ面倒な人付き合いはしたくない」という人、どちらかが正しくてどちらかが間違っているというものではありません。
それぞれの価値観があってお互いに好きに生きるべきですよね。それが一緒になってしまうとお互いに嫌な思いをするので、新しく移り住む側の人が住む場所を選んで同じ考えの人達とまとまって一緒に住めばいいのかなと思います。
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