霊も魂も存在しない!?幽霊は「脳が見せている幻覚」

ミステリー

あなたは幽霊や死後の世界を信じていますか?今回は心霊現象や心霊写真などを科学的に分析して謎を解き明かしていきたいと思います。

見えているものが本当とは限らない

人間は目から入った情報を脳内で処理して映像にしています。私たちは目に見えるものが現実に起こっていることだと認識しがちですが、実際には脳内のフィルターを通して処理されているので映るもの全てが現実とは限りません。

側頭葉の役割

脳の横側にある側頭葉では視覚情報の解釈を行っています。側頭葉の一部が特殊な状態の場合は見たものを別のものと認識してしまうことがあります。物が歪んで見えたり形が変わって見えたり、人のオーラが見えたり、なんでもない模様が人の顔に見えたりといった認識の違いが起こります。

後頭葉の役割

脳の後ろ側にある後頭葉では目からの情報を処理しています。後頭葉の一部が特殊な状態だと実際にはないものが見える幻覚が起こることがあります。脳卒中やてんかんなどの病気で脳機能が低下すると人によっては眩しい光が見えるようになったり、動く人影が見えるようになったり、いないはずの虫が見えたりもします。

違法ドラッグによる幻覚

麻薬などの違法なドラッグで幻覚が見えるようになるのはよく言われる話ですよね。具体的にはこんな幻覚が見えるようになります。

  • 物が歪んで見える
  • 物が呼吸しているように動く
  • オーラが見える
  • 鏡の自分が別人に映る
  • 存在しない虫が見える
  • 目の端で何か動くものが見える
  • 実際にはそこにいない人が見える
  • 精霊や宇宙人が見える

また、目に見えるものだけでなく幻聴が聞こえたり、いないはずの人の気配を強く感じたり、何者かに触られる感覚があったり、時間がゆっくり進むように感じたりといった錯覚も起こるようになります。

原理としては先程上で説明した脳の機能低下と一緒です。違法ドラッグによって脳のニューロンが破壊されて萎縮することで脳機能が低下して異常な感覚や幻覚が現れるようになります。

最近霊感が出てきた場合は要注意

「最近幽霊が見えるようになった」「霊感が身についた」という場合は要注意です。今すぐ病院に行って脳の精密検査を受けてください。というのも、脳の病気の前触れとして幻覚が見え始めるというのがあるからです。なんでもないところで激しい光が見えて眩しくて目の前が見えなくなるとか、実際にいないものが見えるようになると認知症・てんかん・脳卒中・パーキンソン病・統合失調症の前触れである可能性があります。

実際私の周りで脳卒中になった身内がいるのですが、倒れる前の半年前から時々精霊や龍が見えたり激しい光に包まれて前が見えなくなると言っていました。それは段々強くなって頻度が上がってきて倒れる直前には生活に支障が出るくらいの激しさになっていたと言っていました。現在その身内は一命はとりとめましたが仕事を失って車椅子生活をしています。命に関わることなので霊感が最近出てきたという方は今すぐ病院に行ってください。本当にお願いします。

子どもやお年寄りが霊を見やすい理由

脳の発達が未熟な子どもや脳が老化していくお年寄りは霊や精霊が見えやすくなる傾向があります。「大人になるにつれて見えなくなった」というのもよく聞く話です。

猫など動物には霊感がある??

猫が天井を見つめてニャーと鳴いているのを見て「ああ!この子霊感がある!」と思う人もいると思います。動物は喋れないので本当はどうなのか分かりませんが実際に見ているという可能性もゼロではありません。もしかしたら個性によっては見えることもあるのかもしれませんよね。人の霊ではなくて猫とかの霊かもしれませんが。耳と鼻が優れているので人間には分からないニオイや音の元を探しているという説もあります。なんにせよ喋れないので何を考えているのかは分かりません。

霊が見える家系

「親父に続いて自分にも霊が見える。うちは代々霊が見える家系だ」という人たちがいますが、これは血の繋がりで脳の特徴が引き継がれているからですね。生物は体の特徴を親から引き継ぐもので、100%絶対というわけではありませんが身長や病気のなりやすさも遺伝しますよね。脳の特徴も同じで遺伝で引き継がれていくので霊が見える家系ができます。でもこれは病気というわけではありません。いないはずのものが見えすぎて生活に支障がある場合は病気と言えるかもしれませんが、そうでなければ脳の個性とでも言うべきでしょう。

家系的にそうでなくても生まれつき霊が見えるという人も個性と考えていいかと思います。親や親戚が霊感がなかったとしても、親からの脳の遺伝は100%ではないのと、見え方や濃さの強弱もありますし家族は大して気にしてなかっただけというのもあり得ます。また脳機能だけでなく恐怖心を抱きやすいかや想像力が豊かかどうか、周囲の空気・気温・ニオイなどの微妙な変化を感知できるかどうかの能力によっても霊感は左右されるので、自分がその感受性・直感力・想像力が高かったというのもあるかもしれません。

磁場による影響

心霊スポットには微弱な磁場があることが特徴として挙げられます。トンネルの中や森の中、鉱山など磁性を持つ鉱物が含まれる場合に、これらが脳に影響を与えて幻覚を見せることがあります。

脳科学者マイケル・パーシンガー氏が開発した「神のヘルメット」は、脳の側頭葉に特定の微弱な磁場を当てるというものですが、これを装着した被験者の約80%は神や亡くなった人に会うことができたと不思議な体験を語りました。

しかしながら、この磁場による影響は大きいものではなく、ある程度の信じる力が必要になるようです。無神論者や懐疑的な人には効果がほぼないようで、人間が見たいもの(期待)もしくは見たくないもの(恐怖)による想像が現実になるもののようです。

酸素不足による幻覚

酸素濃度が薄い場所では脳に運ばれる酸素が少ないため脳の機能が低下して幻覚が見えるようになります。トンネルの中や高い山、鉱山、地下道などが酸素が薄い場所なのですが、これらの場所では実際に心霊体験が報告されています。酸素が薄い高い山で起こる病気「高山病」の症状の一つが幻覚で、視覚や聴覚に異常が出て不思議な声や足音が聞こえたり、いないはずの人影が見えたりします。

集団心理の影響

誰かが「あそこに人影が見える!」と言ったのを皮切りにしてみんなが同じ光景を見るという集団幻覚に陥ることがあります。ほかにも「白い服の女性の幽霊が出るらしい」と刷り込みがあるとそれを無意識の中脳内で再生されて同席者が同じ幻覚を見てしまうこともあります。

幽霊の特徴が事前の話の中で具体的にみんなに共有されている場合に、同じ姿をした霊の幻覚を見やすいようです。

幽霊がいることは証明できる?

幽霊が見えることは脳の機能の異常という科学的説明ができるのですが、逆に霊がそこに存在することの証明はできるのでしょうか。

生きている人が言っているに過ぎない

幽霊が存在すると言っているのは全部生きている人たちですよね。実際に幽霊が来て「あ、はい。僕が幽霊です」なんて証言してくれるなんてことはないので仕方ないところですが。

「今、霊と交信しています」「今おじい様の霊が降りてきています」「あなたの後ろでいつも見守っていますよ」と霊媒師や霊能力者が言いますが、誰もそれが本当かどうかを証明できないのでウソつき放題で商売している可能性もあります。

霊能力者のウソ

昔とある有名な霊能力者は「ペットなど動物は幽霊にはなれません」と言いました。でも別の番組では「あなたには先日亡くなった飼い犬の霊がついています。でもあなたが悲しみを引きずっているのでお別れできないのですよ。」とも言っています。

ああ、なるほど。依頼主の気持ちを安心させるのが霊能力者の仕事なのだ、と私は理解しました。目の前の相手が悲しみに暮れて相談しにきたところを「ペットは霊になりませんよ」「隣に霊はいませんね」とは言わず、「あなたのそばにいますよ」と飼い主を安心させることを選んだわけです。

つまり霊能力者は、霊が見えたり霊の気持ちが分かってそれを依頼主に説明しているのではなくて、依頼主が満足してくれるようなことを想像して自分でストーリーを作って言っているのですね。

あ、でも霊能力者は自身に能力があると信じていますしウソをついているとか騙しているなんて感覚は全くないと思います。霊的なものを本当に見ていると思いますし、本当に聞こえていると思います。想像力が豊かなので現実に起こっているように見聞きしてしまう能力とも言えるかもしれません。

霊の存在を証明する方法

仮に霊の存在を確認できるような機械が開発されたとしても、何をもってそれが霊であると断定できるのかという問題にぶつかります。霊を捉えるカメラを開発したとしても、それが本当に霊なのかが分かりませんよね。せいぜい面白アプリという評価を受けるのがオチです。

私が考えている霊の存在証明方法はこうです。まず心霊スポットに1000人以上の霊感がある人を集めます。そして事前情報なしで示し合わせや途中の会話をすることなく、同じ格好の幽霊が見えるとみんながほぼ同じ証言ができたらそれは偶然の一致ではないので霊の存在証明になると思います。昔の海外のテレビ番組では30人くらいの霊能力者を集めて心霊スポットに行く企画があったようですが、それぞれが見える霊の波長が違うらしくみんなバラバラのことを言っていたようです。

心霊写真が最近なくなった理由とは?

最近は心霊写真って撮れなくなってるのですけど知ってました?

カメラの進化で映らなくなった

心霊写真って昔のものが多いですよね。今はデジカメとスマホの普及でカメラが高性能になったことで心霊写真が撮れなくなって存在がなくなりつつあります。心霊写真が撮れたのは昔の古いフィルムカメラだったからというのが大きいようです。

フィルムカメラの特徴によって起こる不具合は以下の通りです。

強い光の影響

フィルムカメラでは強い光やレンズに反射して正しい映像が映らないことがあります。目には見えない光が入って映ることをカメラ用語で「ゴースト現象」とも言います。

フィルムに傷や汚れがつく

使用するフィルムが古いと傷やホコリなどの汚れが写真に映り込むことになります。カメラの保管方法が湿度やホコリの多いところだったり、インスタントカメラの購入後時間が経った古いものを使うとフィルムが化学変化で劣化していて心霊写真のように映ることもあります。

露光時間が長い

昔のカメラは露光時間(フィルムを光にさらす時間)が長いので、動きのあるものがブレて撮れることがあります。それが不自然な写真となって見えることも心霊写真の一因です。

二重露光

フィルムカメラ特有の現象で、同じフィルムに2回以上の画像が重ねて記録されることがあります。

フィルムを巻き上げずにシャッターを何度も切ると前の画像と今の画像が重なって上書きされるので余計な顔がうっすら映り込んだり、余計な手が映り込んでしまったり、下半身が消えたりといった画像合成が不意に発生します。

デジカメやスマホで撮れないのはなぜ?

デジタルカメラやスマートフォンのカメラは非常に高性能で、画像をコンピュータで処理してノイズを除去しているため余計なものが写り込まないようになっています。また強い光も自動補正機能がついていることでゴースト現象が起きにくい仕組みになっています。露光時間も短くぼやけが発生しにくいですし、フィルムを使っていないので二重露光もありません。

ただしデジタルだからといってエラーが100%発生しないというものでもないようです。低画質のカメラの場合はノイズ除去の影響で一部が消えて見えることも起こり得るとのこと。

画像編集ソフトの普及で増えた心霊写真

高性能な画像編集ソフト「フォトショップ」が普及するのとともに心霊写真も増えた過去があります。自分が作った心霊写真でみんなが騒いでくれたら嬉しいですし承認欲求が満たされますよね。でもフォトショップの普及が完全に広まって一般化すると、今度は「これ加工じゃん」とバレるようになって心霊写真は減少しました。今はフェイク画像を暴く専門家や専用ソフトがあってすぐにバレてしまいます。

なぜ霊や魂の存在が信じられているのか

人間ははるか大昔から霊や魂の存在を信じて生きてきました。それは日本だけでなく外国の人々もみんなです。世界中に宗教が存在しますし、世界的に見れば宗教を信じている人が大部分を占めています。世界の人口約80億人のうちおよそ90%の人が宗教信仰者だそうです。日本は無宗教者・無神論者が多い印象ですけど、なんやかんやで身内が死んだらお坊さんを呼んで仏教式の葬式をしますし、正月に初詣に行きますし、お盆にお墓参りに行ったりしますよね。

死者を悼む気持ち

なぜ人々は霊や魂の存在を信じるかというと、それは死者をいたむ気持ちがあるからです。親戚や知人が死ぬと悲しいですし、生前のことを思い出して「今も生きていたらなあ」と叶わない希望を願うわけです。「もし生きていたら何て言うだろう」「アドバイスがもらえたらなあ」「また会えたらなあ」そうして考えるうちにその人が夢に出てきて語りかけることもあるかもしれません。すると「亡くなった人が会いに来てくれた」「助言をくれた」と良いように解釈をして、死後も見守ってくれていると勘違いをするわけです。

この人々が抱く虚像を「霊」や「魂」と名付けてどんどん解釈を広げてきました。不可解な現象が起きた時に「幽霊の仕業だ」悪霊の呪いだ」と決めつけたり、ラッキーで助かった時には「ご先祖様が助けてくれた」と根拠がないのに都合の良い解釈をしてしまいます。人間は「なぜそうなったのか?」を追求したい生き物なので、単なる偶然であっても「きっとこうっだったに違いない」と決めて心の落ち着きを保とうとします。

そして魂や死後の世界の存在を信じて人生の幸せを目指していく方がポジティブになれて人間の生き方として美しいので世界中の人が霊や宗教を信じているというわけです。起源が違う世界中それぞれの宗教が「生と死」について同じように考えて「生きているうちに良いことをしよう」と皆が同じ答えに辿り着くのは不思議かもしれませんが、人間の性質を考えればごくごく自然な流れとなります。

かつては病気は悪霊の仕業だった

病気の原因が分からない昔の時代では、感染症が流行すると「祟りだ」「呪いだ」と騒いで悪霊を鎮めるための儀式が行われるのが一般的でした。でも今は医学の発達で感染症が原因だと分かっているので(少なくとも日本では)誰も悪霊の仕業だとは言いませんよね。余談ですがRPGの回復役(ヒーラー)が僧侶などの聖職者なのは悪霊を退治して病気を治していた時代の名残りですね。

もしかしたら数百年後とかには「幽霊なんていないの当たり前だよね」「妖怪と同じレベルの話だよね~いるわけないじゃん笑える」「幽霊とか昔話かよ」なんて人々は言っているかもしれません。

さいごに

私の結論としては、「幽霊は人々の想像が生み出した脳の幻覚である」というのが答えになります。

でもまあ霊や魂を信じる信じないは自由ですし、信じることによって悲しい気持ちが消えて前向きに生きていけるのであればそっちの方がいいので信じるのも全然アリだと思います。

最後になりますが、ここに書いたことは真実を断定するものではなく、ひとつの仮説を述べたに過ぎませんので適当に気楽に見てもらえたら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました