私は下戸です。「お酒が全く飲めない体質」で、飲み会ではいつも気まずい思いをしています。社会人になると歓迎会や忘年会など、避けて通れない飲み会がありますが、お酒が好きな人にとって楽しい時間でも、私にとっては苦痛の時間です。
乾杯の一口で顔が真っ赤に
私は乾杯のビールを手にして、ひとくち飲むだけで5分後に全身が真っ赤になります。
私はお酒を飲んで気持ちよくなったことが人生で一度もありません。「酔って楽しくなる」「テンションが上がる」「ハイになってタガが外れる」という感覚は、私にはないのです。
逆に、少し飲むと頭がジンジンして体がだるくなり眠気が襲ってきます。20分~30分もすると、もうウトウトして頭がカクンカクンとなります。飲み会の2時間を持たせるのも一苦労で、耐えられずにトイレや外のベンチで仮眠してしまうこともあります。
お酒を楽しむというよりも、体調との戦いになってしまうことがほとんどなのです。
お酒は私にとって毒
お酒は私にとって毒のようなものです。少量でも口に含めると体調を崩してしまうので、無理やりお酒を勧めてくる人に対しては、「毒を飲ませてくる悪人と同等レベルの嫌悪感」があります。
もし万が一、アルコール中毒で倒れたとしたら、飲ませた人が責任を取ってくれるのでしょうか。取れないのなら、飲ませるのは絶対にやめてほしいです。
とりあえずビールはやめてほしい
体調が悪くなる、味も苦いということで私はビールが大嫌いです。ですが飲み会の場では必ずと言っていいほど「とりあえずビール」が慣習となっています。注文してから提供までの時間を考えて、時間効率のために人数分のビールを頼む。この合理性は理解出来ていても、私にとっては耐え難い苦痛の1杯です。
ひとくち飲んで真っ赤になる→落ち着くまで待つ→ひとくち飲む→真っ赤になる・・・これを繰り返すと2時間かかります。つまり最初に強制的に渡された乾杯のビール1杯が、私がその飲み会の中で飲める唯一のお酒というわけです。
もしもの話ですが、あなたが外国で暮らすことになったとして、
「最初は必ず全員でジョッキ1杯のサラダ油で乾杯」という異国の文化があったら耐えられますか?
次第に飲み会が嫌いになると思いませんか? 私たち下戸はそんな苦痛を感じています。
体質は生まれつき
私は20歳のときにアルコールパッチテストを受けた結果、肌が赤くなり飲めない体質と判定されました。お酒に対する耐性は生まれつきの部分が大きく、日本人の中でもお酒に弱い人は少なくありません。
日本人の約40%程度が比較的お酒に弱い体質と言われています。さらに推計5%はお酒を全く飲めない人ともされています。たとえば飲み会を20人で行ったとしたら、8人ほどがお酒が弱く、さらにそのうち1人はお酒が全く飲めない人がいるということです。
耐性についての誤解
「お酒はたくさん飲めば耐性がついてくる」という話もよく聞きますが、体質以上に強くなることはほぼありません。
私のように少量で顔が赤くなり、すぐに眠くなるタイプは、いくら挑戦しても耐性が劇的に変わることはありません。なので下戸であることを無理に克服する必要はないと思っています。
「飲ませるだけの飲み会」は無意味
下戸にとってつらいのは、ただ飲ませることだけを目的にした飲み会です。「ほらもっと飲みなよ」「俺の酒が飲めないのか?」という無神経な言葉が出る飲み会は、無意味であり参加する必要はないと思います。お酒はコミュニケーションツールのひとつなのであって、飲むこと自体は目的ではありません。
会話を楽しむ飲み会ならOK
逆に、会話を楽しむことが目的の飲み会であれば、下戸でも楽しめます。お酒がなくても話はできますし、笑い合うこともできます。
大切なのは「お酒の種類や量を強制しないこと」です。自分のペースで、自分に合ったものを適量楽しむのであれば、誰も文句を言うことはありません。