ソーラーパネルをDIYでつけるメリット・デメリット【太陽光発電】

住居・建築

今回は太陽光発電システムを導入するにあたって、業者に取り付けてもらうのではなく自分で取り付けるDIY設置によるメリット・デメリットについて見ていきます。先日僕もDIY設置を済ませたところですので、この知識が他の方の役に立てば幸いです。

ソーラーパネルをDIYで設置する5つのメリット

DIYは自分で勉強しないといけない大変さはありますが、特に金銭的なメリットがあって魅力的ですよね。「他人ができることなら自分にもできるはず」そう思うことがDIYの第一歩です。

取り付け費用が安く済む

太陽光パネルを業者に取り付けてもらう場合、多くが家の屋根の上への設置となるので足場を組む費用や人件費、業者の利益などのお金が乗っかって請求されることとなります。その点DIYでは計画と実行を全て自分で行うことになりますが費用を安く済ませることができます。

ソーラーパネルは現在いろんなタイプのものが販売されていますね。

  • 軽量折りたたみ式
  • 金属フレームタイプ
  • 薄型フレキシブルタイプ

太陽光パネルは開発競争が続いて今では手頃な値段で買えるようになりましたし、安全機能も充実しているので知識や経験の少ない素人でも火災リスク避けられる仕様になっています。本格的な太陽光パネルが欲しい場合でもAmazonや楽天市場などで今は数万円で普通に買える時代です。業者にお願いしないと無理なものとは考えずに、庭やベランダで発電することも考えてみてはいかがでしょうか。

屋根に登らないのであれば誰でも設置できますよね。軽量タイプのものであればベランダの物干し竿を使ってフックでパネルを吊るすのもいいでしょうし、重量のある金属フレームタイプなら庭にベタ置きというのもアリです。通販で買える太陽光パネルでも防塵防水性能(IP68などの表記)があるものを選んで購入すれば常に外に置いておいても大丈夫ですから、本格的に発電したい場合は架台かだい(パネルを置く土台のこと)を設置して地面や家の壁などに固定して常設する、なんてこともDIY素人でも全然できちゃいます。

定価で買わなくて済む

業者に取り付けを依頼する場合、ソーラーパネルや蓄電池などの機器を定価に近い価格で買うことになります。最終的に端数を切って値引きをしてくれることもありますが微々たるものですよね。

Amazon・楽天市場・Yahooショッピングなどなどのネット通販や家電量販店で買えば大幅値引き、割引クーポン、セール価格、ポイント還元などで安くお得に買うことができます。あとで見てみてほしいのですけど太陽光関連の商品って値引き額が大きいんですよ。今だけなのか分かりませんが50%OFFとか15万円OFFクーポンとかのとんでもないセール価格で売っててかなりビックリします。

メンテナンスが簡単

屋根上の設置の場合はメンテナンスも業者に依頼しなければ素人が登るのは危険すぎますよね。ベランダや庭の設置であれば簡単にアクセスできるのでメンテナンスも簡単になります。ボルトやネジが緩んでないかやコードが断線してないかなどチェックも安全にできます。

冬に雪がつもった場合はパネルが雪で覆われて発電量が極端に下がるのですが、そんな時にも自分で雪を払いのけて発電量を戻すことができます。

鳥のフンなどの汚れや枯れ葉がついた場合も自分で掃除することが可能ですね。

廃棄費用が安く済む

太陽光パネルは30年経っても効率70~80%を維持する高い耐久力がありますが、いずれ来るであろう廃棄のことも考えておくべきです。DIYでパネルを取り外す場合は業者依頼時にかかる足場費用や屋根の修復費用などはかかりません。またパネルの廃棄を業者にお願いすると産業廃棄物としての扱いになるので廃棄費用が高くなりますが、ゴミ処理場への個人のゴミ持ち込みだと安くなる場合が多いです。ただし太陽光パネルには有害物質が含まれることがあるので廃棄処分を受け付けていない自治体もあります。気になる方は住んでいる自治体のホームページなどで確認してみてはいかがでしょうか。

それから太陽光パネルの処分方法については新しいサービスが増えてきていて、リサイクルのための買い取り専門業者も近年出てきています。メルカリやヤフオクなどのフリマサイトで売ることもできますし、処分方法をいくつかある選択肢の中から自分で選ぶことができます。

投資回収までの期間が短い

DIY設置の場合は初期費用とメンテナンス費用、廃棄費用にいたるまでコストが安く済むことから、比較的早い段階で投資分の金額を回収することができます。

業者に設置してもらった場合の費用は100万円超えで、投資回収は10年ほどが一定の目安となっています。でもこれは太陽光パネルのみの設置の場合の話です。ここに蓄電池もプラスした「太陽光パネル+蓄電池」のシステムの場合だと回収期間はなんと30年かかるとも言われています。屋根に乗せる家庭用の一般的な太陽光パネルのサイズは4~5kW、それに合わせた蓄電池が一般的に7kWhとされていて、合計した費用の相場は220万円~310万円となっています。行政の補助金制度を活用できれば差し引いて金額を落とすことで回収期間を短縮できるのでこの場合は活用必至ですね。

これに対してDIYの場合、例えば10万円で太陽光パネルと蓄電池を設置することもできるので元を取るまでの時間が早く済みます(蓄電池7万円+400wパネル3万円)。1ヶ月930円程度の電気代を太陽光で賄うことができれば9年ほどで節約額が10万円となり元が取れることになります。

もうひとつ例を出すと、エアコンまで使用できるような大掛かりなシステムを作る時に38万円かかるとします(蓄電池24万円+1600wパネル14万円)。これを使って1ヶ月約3520円の節約をしていくと9年ほどで元が取れることになります。※蓄電池とパネルの経年による性能低下、および年間日照日数も考慮して計算しています。

もちろん、業者が取り付けるものとは容量が全然違うものなので同列に語るのはおかしいのですけど、それでも金銭的リスクが減るのはメリットと言って良いでしょう。

ソーラーパネルをDIYで設置するデメリット

やっぱりリスクも伴うDIY。デメリットもしっかり把握しておく必要があります。

パネルの固定に不安がある

業者による家庭用ソーラーパネルの設置には厳しい基準があって台風などの強風でも吹き飛ばないようにガッシリ固定されます。なので台風の日でも安心して過ごすことができるのですが、DIY設置の場合はソーラーパネルが吹き飛んで近隣の家屋に損害を与えてしまう可能性もあり不安がつきまといます。

台風情報をチェックしてパネルを都度室内に片付けるか、強風にも耐えられるような強固な固定方法を採用するといった対策が求められます。

発電量は少ない

DIY設置ではスペースに限りがあることが多いため発電できる電気量に限界があります。広大な庭や畑があるなら別ですが、一般的な家庭の庭では十分に太陽を受けられる場所やスペースが限られてますから、屋根上の設置と比べると発電量は少なくなります。周りに他の建物がある場合は時間によって日陰ができるので、日の出から日の入りまでの太陽をフルで受けられないことにもなります。

メーカー保証期間が短い

業者取付のソーラーパネルの場合ほとんどのメーカーが10年間の保証をつけているのに対して、個人で購入したソーラーパネルの場合には保証が1年~2年しかついてなくて短いというデメリットがあります。蓄電池も同様で、業者取付の大型蓄電池は15年を超える保証のメーカーもあるのに対して、ポータブル電源では2年~3年程度となっています。

知識と経験のあるプロが取り付けする場合と素人がDIYする場合、どちらが信頼できるかというとやっぱりプロですよね。メーカー側の気持ちを考えると、保証期間に違いが生まれるのは当然かなというところです。

固定資産税についての知識が必要

太陽光パネルを取り付けると固定資産税が上がる可能性があることは知っておくべきです。固定資産税が上がる条件は以下の通り。

  • 屋根と一体型のパネル
  • 10kW以上のパネル
  • 事業収入にする場合
  • 地面に固定する場合

いずれか1つでも当てはまる場合は課税対象の可能性があります。太陽光パネルを架台に乗せて建物に後付けする場合は「取り外し可能なもの」とみなされて非課税ですが、最初から屋根に組み込まれている一体型は建物の評価額が上がるため課税対象になります。屋根の素材がそのままソーラーパネルになっているのが一体型です。

通常Amazonや楽天で買えるパネルは100w~500wのものなので、200Wパネルを50枚購入しないと10kWh(10000Wh)にならないので自家消費目的ならまず超えることはない容量だとは思いますが、まあ知っておいて損はないかなというところです。

あとは10kWh未満であっても賃貸物件にするなどして事業収入に関わる場合は課税対象になる可能性がありますし、所得税にも関わってきますのでその時が来たらご注意ください。

最後に地面に固定する場合という項目は要注意ですね。住宅を建てる時と同じようにコンクリート基礎を作って固定したり、1mくらいの大きなビス(スクリュー杭)を地面にねじ込んで固定する方法をとっている場合は、本格的に地面に固定された固定資産とみなされて課税対象になります。

法律や条例に違反する可能性がある

電気を扱うことになるわけですから、やり方によってはDIYは法律や条例に違反することもあり得るのでご注意ください。

電気の配線をいじる時には電気工事士の資格が必要になることもあるので、資格なしの素人がどこまでできるのかを知っておくのは重要です。

  • 住宅の電気配線に接続する→要資格
  • ポータブル電源に充電して使う→資格不要
  • 自作システムを組む→場合によって要資格

細かい注意点はたくさんあるのですが、まずこれだけ覚えておけばいいのはポータブル電源に接続するのであれば資格不要だということです。仮に太陽光パネルが大規模になったとしてもポータブル電源の充電に使ってそこから電気を使用するのであれば資格は要りません。

【太陽光パネル→コントローラー→バッテリー→インバーター】という流れで自作システムを組む場合は、大規模になって電流が大きくなると資格が必要になりますが、きちんと勉強した上で範囲内で行えば資格なしでも作ることができます。

ただ、「初心者だしそんなの難しそう」という場合はポータブル電源にしておくと間違いがないのでオススメです。【太陽光パネル→ポータブル電源】この接続だけで完成しますし知識がなくても安全に使用することができます。

また、充電バッテリーにも注意が必要です。単体で10kWh(10000Wh)を超える蓄電池を設置する場合は消防署への届け出が必要なこともあります。

  • 10kWh以下→届出不要
  • 10kWh超え20kWh以下→条件つきで届出不要
  • 20kWh超え→届出が必要

ここにひっかかる可能性があるのは蓄電池を自作する場合ですね。電気自動車のバッテリーを利用して蓄電池を自作すると基準容量を超えて条件を満たさないことにもなりそうです。蓄電池を自作して大規模なシステム構築を目指す場合は、国の定める消防法だけでなく市町村の火災予防条例にも目を通す必要があります。

補助金をもらうのが面倒

太陽光パネル+蓄電池を設置すると地方自治体から補助金が出る場合があります。業者に設置してもらう太陽光システムの場合は行政への補助金の申請も業者がサポートしてくれることが多いですが、素人のDIY設置の場合は全てを自分で用意して申請しなければいけません。補助金を受け取るためにはいくつかの条件を満たしていることを確認して計画書・証明書・実績報告書などを作成し提出する必要があります。詳しくは各自治体のホームページなどで確認する必要がありますが、たとえば次のような流れが一般的です。

  1. 設置にかかる費用の見積書を提出
  2. 設置場所の見取り図を作成して提出
  3. 購入設備の仕様書を提出
  4. 電力消費量計画書を提出
  5. 補助金交付申請書を提出
  6. 補助金交付決定後に設備を購入し設置
  7. 設置報告書を設置写真と共に提出
  8. 毎月の発電量・消費量の報告書を3年間提出
  9. 発電量・消費量が分かる書類の添付
    • (記録可能な機器の導入が推奨される)

ほかにも細かい注意点がたくさんあるのですが、これらを一生懸命自分で勉強して行う必要があります。大きな金額を注ぎ込んでDIY設置するのであれば頑張って申請する方がいいですね。僕の場合は補助金のことを知る前に蓄電池とソーラーパネルを購入してしまっていたので手遅れでした。

発電量・消費量が分かる書類の添付のために記録可能な機器を設置するとよいのですが、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入するのに4万円以上かかるので、本末転倒にならなかは注意が必要です。

最近のポータブル電源が優秀すぎる

素人でも太陽光パネルをDIY可能にした、ポータブル電源の性能のスゴさについてちょっとご紹介します。

ポータブル電源の進化がすごい

ポータブル電源って少し前までは結構デメリット部分が多くて使いづらい印象でした。

  • 価格が高い
  • 使ってなくてもバッテリーの減りが早い
  • 充電しながら使用できない機種もある
  • 寿命が4年ほどと短い
  • 発熱しバッテリーが膨張する
  • 衝撃に弱い

でも最近では性能の高いポータブル電源が比較的安く手に入るようになっているのですよ!

  • 価格が手頃
  • 使わない間のバッテリーの減りが少ない
  • 充電しながら使用可能
  • 寿命が10年以上
  • 発熱しにくい
  • 衝撃に強い

どうしてこのような進化ができたのかというと、新しい電池技術が生まれて電池の種類が変わったからです。

1960~1970年代ニッケル・カドミウム電池
1980~1990年代ニッケル水素電池
2000年代リチウムイオン電池
2010年以降リン酸鉄リチウム電池

現在は「リン酸鉄リチウム電池」へと変わったことで性能が大幅に変化しました。

機能の充実ぶりがすごい

もうひとつ今のポータブル電源がスゴいのは機能の充実ぶりです。ソーラー発電との連携システムが内包されているのも素晴らしいところ。

  • 過充電保護機能
  • 過放電保護機能
  • 過電流保護機能
  • ショート保護機能
  • 停電時の自動切替機能
  • 入出力の電力表示
  • MPPT機能

MPPT機能とは、太陽光発電からの電力が最大効率になるように調節してくれる機能です。また、太陽光パネルで発電する電気は直流(DC)なのですが、家庭用コンセントから出てくる電気は交流(AC)なので通常はパワーコンディショナという機械で直流から交流へと変換しなければ太陽光発電の電気を使うことができないものですが、ポータブル電源にはこの機能が入っているので太陽光パネルにケーブルでつなぐだけで知識なしの素人でも簡単に使うことができるようになってます。これはマジ便利。

僕がソーラーシステムを組もうと思ったのはこのポータブル電源の性能の高さがきっかけでした。「災害時用にポータブル電源って便利だし買っておくか~」と軽い気持ちで見始めたのですが、性能が素晴らしすぎたせいで「非常用のみにとどめておくのはもったいない!」という気持ちになったんですよね。というわけで今は太陽光パネルをベランダに置いて2階から1階への配線も自分でDIYして毎日ガンガン使ってます。定格出力1500W以上のポータブル電源を買えばほぼ家中の家電を動かすことができるので災害時も安心です。

中古品よりも新品がオススメな理由

ポータブル電源は中古品で探すと安く売っているかもしれませんが、できれば新品を買う方がいいかなと思います。発売日が古いものだと機能が足りていない可能性がありますし、前のオーナーの使用でバッテリーが劣化していて容量減少していることもあります。「2000kWhの容量の蓄電池が安く買えたゾッ!ウヒョヒョ!」と思って届いたら、劣化してて実質1000kWhの蓄電池だったらショックですよね。

新品で買うと製品保証がついていてメーカーによっては3年間の無償修理保証がついていることもあるので不具合が起きた時でも安心です。新品未使用の中古品は特に要注意で、出品者は「未使用品なので不具合はメーカーに問い合わせしてください」と言いますし、メーカーに問い合わせすると「一度人の手に渡った中古品は保証対象外となります」「正規販売店での購入に限ります」と言われて対応してもらえない可能性があります。分解して直すのも素人にはできそうにないものですし、後々のことを考えると新品を買う方が毎日の使用の中での安心感があります。

さいごに

僕の家の近くでは太陽光パネルを後付けする家庭がチラホラあって、電気代高騰を受けて太陽光発電に注目する人が増えているのかなと感じます。二酸化炭素の量を減らすとか化石燃料が底を尽きるとか騒がれている間は電気代は安くなることはなく上がっていく一方でしょうし、太陽光パネルを使った電力発電の仕組みを元気な今のうちに作っておくのもアリかなと思いますよ。大地震がいつ起きるか分からないのも怖いですよね。停電が起きた時でも電子レンジ・炊飯器・電気ケトルが使えて温かい食事が取れるというのは大きな安心感がありますよ。ぜひ導入を検討してみてくださいませ^^

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