最近私は、日本各地の市町村のうち戸別収集を実施しているのはどの自治体なのかが気になり、自分なりに調査を進めてみました。
そしてその中で強く感じたことがあります。
戸別収集なのかステーション収集なのかが分かりづらい!!
ゴミを出す場所がどこなのかが書いてない!!
そこで今回は、自治体ホームページの現状をお伝えするとともに、どうして分かりづらい表記になっているのかを原因分析してみることにしました。
日本のゴミ出しルールは各地でバラバラなのに・・・
ゴミの分別や収集方法は地域によってバラバラですよね。
なので別の地域から引っ越してきた人は、まずその地域のゴミ出しルールを勉強しなければなりません。
- ダンボールはどこに出す?
- スプレー缶は穴を開ける?開けない?
- アルミ缶はつぶす?つぶさない?
- 包装容器プラスチックは可燃?資源?
- 乾電池はどこにどうやって捨てる?
- ボタン電池とコイン電池の違いは?
- ビンについたシールは剥がす?剥がさない?
- ビンについたプラスチックの蓋が取れない場合は?
- 集団回収ってなに?
- 収集・処分できないゴミが存在する?
・・・こんなの、資格試験の問題になるくらいの膨大な知識量ですよ!!
こうした細かいルールが多いため、「出し方・捨てる場所が分からないので捨てられない」という人もいます。
日本人でも難しいのに、外国人にはなおさら困難でしょう。
しかしそんな状況にもかかわらず、自治体が公開しているごみ出しガイドブックは不親切なものが多く、特に「どこに出すか」が明確に書かれていないことが目立ちます。
戸別収集であることを書かない自治体が多い
例えば北海道では、可燃ごみを戸別収集している市町村が 73地区 あります。(一部地域のみ実施も含んだ数)
しかしそのうち 住民向けのごみ分別ガイドに「戸別収集をしている」と明記している自治体は、わずか 9 地区しかありません。
北海道以外でも似た傾向があり、全国で多くの自治体が戸別収集を実施しているのにそれを積極的に書いていません。(例外として東京だけは、23区以外の地域は戸別収集を明記している割合が多かったです)
そんな状況なので、調べるのは本っっっっ当に大変でした。私は、実際にGoogleストリートビューを使って地域の戸建てを一軒ずつ確認し、
- 家の前に直接ゴミが置かれているか
- 個人宅専用の小さなステーション・ボックスが設置されているか
- 集積所らしき場所があるかどうか
といった点を細かく見て回りました。こうして地道に把握していくしかないという状況でした。
自分たちのやり方が “当たり前” だと思っている自治体
たまに見かけるのはこんな表現です。
「いつもの場所に出してください」
「今まで通りの場所です」
「以前と変更はありません」
なんというか、移住者や引っ越しする人などの地域外の人が見ることを考えられていません。
そもそもどこに出すのかを全く書いていないことも本当に多いです。
「朝8時30分までに出してください」
「袋の口を縛って出してください」
・・・いやいや、どこに出すの?
ステーションなのかどうかも分からないので、読んでいてモヤモヤします。
「住民なら当然知ってるでしょ」「いまさら書く必要ないでしょ」という感覚なのでしょうか??
とはいえ、「自宅前の道路に近い敷地内に置いてください」と丁寧に書いたり、イラスト・写真付きで分かりやすく説明している自治体も少数ながら存在します。(特に東京都内の23区以外の自治体が素晴らしい)
本来はこのレベルを基準にしてほしいところです。
県名を書かない自治体が多い
多くの自治体では、市町村名だけが記載され、県名が省略されていることが少なくありません。
ただ、日本には同じ名称の自治体が複数存在するケースが多くあります。
- 美郷町・・・秋田県・島根県・宮崎県
- 美浜町・・・福井県・愛知県・和歌山県
- 美里町・・・宮城県・埼玉県・熊本県
- 南部町・・・青森県・鳥取県・山梨県
- 池田町・・・北海道・福井県・岐阜県
- 朝日町・・・三重県・山形県・富山県
全ては載せませんが、まだまだあります。
全国で同じ名前の自治体が複数存在するため、県名が記載されていないと 他の地域からの引っ越しを考えている人や広域で情報を調べている人にとって混乱を招きやすくなります。
Webページは検索からのアクセスが多い
最近では、必要な情報を得る際に多くの人が Google や Yahoo! などを使って、検索結果から直接ページにアクセスするようになっています。自治体ホームページのトップページから階層をたどって目的のページを探す利用者は、実際にはそれほど多くありません。
そのため、ページ単体で読んでも内容が理解できるように工夫されていることが大切です。県名を書くこともそうですが、地名の読み方も外部の人からすると分からないことが多いので工夫が必要だと感じます。
ごみを出す場所のルールなど、前提となる情報が別ページに書かれている場合でも、検索から入ってきた読者にとって分かりやすいよう、必要な情報をそのページ内でも確認できる形にしてもらえると、より親切な案内になるのではないでしょうか。
出す場所はゴミの種類ごとに書いてほしい
ゴミの分別方法は自治体によって様々で、可燃・不燃・ビン・缶・ペットボトル・古紙・プラマークなど、10種類以上に分かれています。
そしてこのゴミを出す場所も自治体や地域によって様々です。
住む場所によってゴミの分別方法も出す場所も多種多様で複雑になっているのが日本の現状です。
このため、自治体が作成する「ごみ分別ガイドブック」は、他の地域から来た人でも迷わないよう、ゴミの種類と出す場所を端折らずに、毎回明記することが重要です。
[可燃] 週2回 赤の袋 戸別収集🏠️
[不燃] 週1回 緑の袋 戸別収集🏠️
[紙類] 週1回 紐で縛る ステーション🗑️
[ビン] 週1回 透明袋 ステーション🗑️
[缶] 週1回 透明袋 ステーション🗑️
[ペットボトル]週1回 透明袋 ステーション🗑️
[プラマーク]週1回 透明袋 ステーション🗑️
[白トレイ]週1回 透明袋 ステーション🗑️
[危険物] 月1回 黄色の袋 戸別収集🏠️
[粗大ごみ] 要予約 処理券 戸別収集🏠️
それぞれの項目が始まる最初に、この一文(頻度・袋の種類・出す場所)があるだけで、すごく分かりやすくなると思いませんか?
ところが現状では、ごみ分別ガイドブックの最初に少し触れられているだけだったり(全く書かれてないことも多い)、公式ホームページではゴミの種類の説明ページとは別の場所に記載されていたりするため、分かりづらく不親切な作りの自治体が少なくありません。
一括りに書かないでほしい
分別ごとの収集方式がたとえ同じであっても、やはりその都度きちんと書くことが重要です。前に述べた通り、他の地域では収集方法がバラバラなこともあるので、まとめて省略してしまうと「書いてないけど本当にこれで合ってるの?」と読者が戸惑いやすくなります。
良くない書き方の例は、「資源はステーション収集です」と一括りにされているものです。
資源ってなに?プラスチックは資源?可燃?不燃?
これも自治体によって扱いが様々なので、個別に明確に書いてほしいです。
電池の捨て方がきちんと書かれていない
多くの自治体で、乾電池・ボタン電池・充電池・モバイルバッテリーの捨て方が分かりづらいものとなっています。
電池類は収集車や処理センターでの火災の原因になる危険なものです。これは住民側もきちんと理解して分別する必要があるにもかかわらず、丁寧な説明がされていないことがあります。
さらに驚くことに、捨て方ガイドの中に電池のことが全く書かれていない自治体すらあります。書いていない理由を原因分析してみたところ、「自治体としては電池を回収しておらず、家電量販店の回収ボックスに任せているから」というのが理由のようです。もう丸投げです。
そして、電池に関しても捨てる場所が書いてないことが本当に多いです。
「ごみは戸別収集、資源はステーション収集です」とは書いてあっても、『危険物』に分類される電池やスプレー缶の出す場所が書いてなくて分からない、ということがよくあります。
説明が複数ページにわたる場合
分別の説明は情報量が多いため、どうしてもガイドブックはページ数が多くなります。その結果、1ページ目に書いてあった内容が5ページ先までまたがる説明だった場合、
と戸惑ってしまうことがあります。
ずっと住んでいる自分たちの目線だけで作るのではなく、他の地域から来る初心者向けに分かりやすく作ってほしいと感じます。
あえて書いていない理由もありそう
自治体の公式文書やゴミ出しガイドブックの中には、「わざと書いていないのかな」と思えるものもあります。
本来であれば次のように書けば分かりやすく伝えられるはずです。
「本市ではステーション収集方式と戸別収集方式を、地域の特性や状況に応じて使い分けています」
「本市ではステーション方式(一部地域は戸別方式)で収集を行っています」
…ですが、あえてそこに触れない自治体が多い。
その理由として考えられるのが 住民間トラブルの回避 です。
こんな不満が噴出する可能性があります。
住民同士のトラブルを避けるためにあえて「いつもの場所に出してください」「所定の場所に出しください」としか書かないのかなとも思えます。
戸別収集を増やしたくないという“空気”
戸別収集が一部地域だけで行われている場合、その事実を公表すると次のような声が上がるのは容易に想像できます。
こうした声が増えると、自治体としては対応に追われることになります。
しかし本来、住民の困りごとが増えているのであれば、そこを改善するのが行政の役割ではないでしょうか。
特に一人暮らし高齢者が増える現代では、「重いごみを遠くまで運ばせる」ステーション方式は時代に合わない地域も多いはずです。
「郷に入っては郷に従え」はもう通用しない
昔は「その土地のやり方に従うのが常識」という文化が強かったですが、今は状況が違います。
- 移住者は自由に住む場所を選べる
- 住民の価値観も多様化
- 数年ごとに転居する時代
にもかかわらず、「昔からのやり方」を当然と思っている自治体が少なくありません。
若い世代はこうした古い価値観に嫌気がさして故郷を離れ、移住者も住みやすさを求めて別の地域に行きます。
その流れを自治体はもっと理解すべきです。
戸別収集は住民にとって大きな魅力!!
日本の多くの地域で採用されているステーション方式のごみ収集は、住民にかかる労働負担や人間関係の摩擦が大きく、デメリットが多い収集方式です。
一方で戸別収集にはたくさんのメリットがあります。
実際、戸別収集を実験的に行った自治体の住民へのアンケート結果を見ると、70%以上の人が戸別収集に満足していて続けてほしいと願う声があります。(別記事で紹介する予定です)
自治体にとっては費用が増える面もありますが、住民の満足度・幸福度は上がるものです。
にもかかわらず、戸別収集をすでに導入している自治体がその強みをアピールしないのは非常にもったいないことです。
まとめ:もっと分かりやすく、もっとアピールを
地方自治体は、ごみ収集方法について 誰が見ても分かりやすい表記 をすべきです。
- 移住者は住む地域を自由に選ぶ
- 既存の住民も、隣の自治体へすぐ移れる
- 良い点を発信しなければ選ばれない
- 自分が生活する姿を想像できない場所は移住をためらう
ごみの収集方式はその自治体の住みやすさに直結する要素です。
たとえば、
- ゴミ出しルールで戸別収集を明記
- 移住促進パンフレットでアピール
- 公式YouTubeで紹介
- 戸別収集のメリットを丁寧に説明
- 移行した経緯や住民満足度を公開
こうした情報発信があれば、
「ここに住みたい」「ここでよかった」「また戻りたい」
と感じてもらえるのではないでしょうか。
そのために地方自治体は、自分たちが持っている資源や仕組みの「素晴らしさ」や「魅力」を、まずは客観的・相対的に理解するところから始めるべきです。そうして初めて、住民や移住希望者に伝わる形で価値を発信できるようになります。
